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スタッフブログ

<< 台風が温帯低気圧 | main | 年末の祭り >>
心が自由なら
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    まずは一幅の書をご覧いただきたい

     

     

    写真からは判り辛いかもしれないが

     

    啄木の詠歌が幅2メートル程もある半紙に

     

    実に堂々とした文字でしたためられている

     

     

    そして驚くべきことにこの書は

     

    手に持った筆で書かれたものではない

     

    四肢を動かすことのできない作者が

     

    筆を口に咥えて書いたものだ

     

     

    書の作者――番田雄太君は

     

    幼い頃に遭った交通事故で頚髄を損傷

     

    首から下が麻痺状態となって以来

     

    人工呼吸器を装着しベッド上で過ごしていたが

     

    養護学校在学時に国語担当の先生の勧めで

     

    書の道に進むこととなった

     

     

    ベッド脇で先生自らも仰向けとなり

     

    雄太君の顔の上に紙を構え

     

    雄太君は歯と舌 そして唇を使い筆を走らせる

     

    最初の作品は童謡「シャボン玉」の一節だった

     

     

    そこから先生の更なる指導を受け

     

    身につけた実力を伸ばしていった

     

     

    日本肢体不自由児・者の美術展において

     

    文部科学大臣奨励賞や

     

    朝日新聞厚生文化事業団賞を受賞

     

    岩手県障がい者文化芸術祭 書道部門でも

     

    最優秀賞を数回に渡り受賞している

     

    力強く そして伸びやかな筆致は

     

    書と対峙する者に深い感動を与える

     

     

    弊社では以前に機会をいただき

     

    カレンダーを作成した

     

    数ある中からご両親が厳選した書を

     

    当方で写真撮影

     

    色調を整え 相応しい背景を合わせ

     

    A4判のコンパクトサイズ

     

    中綴じ式のカレンダーとした

     

    かれこれ五年前のこととなる

     

     

     

     

    ここまで経緯を書いてきたが

     

    実は雄太君 昨年の九月に急逝

     

    二十代半ばでの早すぎる惜別に

     

    ご両親の無念は計り知れない

     

     

    今年一周忌を迎えたご両親が

     

    再度カレンダーを作成されたいとのこと

     

    作品集という形の提示も考慮いただいたが

     

    一旦読んで本棚にしまわれてしまうよりも

     

    一ヶ月 一年と

     

    長く目にしてもらえるよう願いを込めて

     

    カレンダーでの制作となった

     

     

    やはり大型の作品の迫力は

     

    大判でなければ伝わり辛い

     

    実際のサイズには及ばずとも

     

    できるだけ大きく見られるよう

     

    レイアウトも変更し

     

    前回よりも大きめのB4

     

    ダブルリングのバインダー式とした

     

     

     

     

    そして

     

    雄太君が生前によく口にしていた

     

    自作の座右の銘があったとのこと

     

     

    心が自由なら

     

    どこへでも行き

     

    なんでもできる

     

     

    お父様からのご要望で

     

    上記の文言に照らして

     

    数ある書の中から

     

    該当の文字を抜き出し

     

    雄太君直筆の文字で表した言葉は

     

    カレンダー最終頁に掲載している

     

     

    その頁は

     

    雄太君が生前属していたオリィ研究所の

     

    吉藤健太朗代表のフェイスブックで公開

     

     

    目にした方から

     

    「陽光に重ねた心の文字が眩しく

     

    みんなを照らしているようだ」

     

    とのコメントが書き込まれており

     

    それは奇しくも

     

    雄太君の戒名にも重なるのだという

     

     

    レイアウトをした者は

     

    言葉に合わせて背景を選択

     

    自身の感覚で表現したのであって

     

    あくまでも偶然の一致なのだが

     

    或は

     

    何らかの意思か

     

    縁がはたらいたのだろうか

     

     

     

    形はカレンダーだが

     

    雄太君本人とご両親の

     

    特別な思いを込めた

     

    素敵な作品になった

     

     

    私がこんなことを言うのは

     

    おこがましいかもしれないが

     

    一人でも多くの方たちに

     

    ご覧いただければ幸甚に思う

     

     

    by RON 

    | - | 16:47 | comments(2) | - | - |
    はじめまして
    はやお よしこ と申します。
    あまのがわ→番田雄太さん→オリィさん→オリィフェス といろいろなご縁でここにきました。
    「ブレス 〜幸せの呼吸〜」という映画を観に行き、買い求めたパンフレットに番田雄太さんのことが2ページ掲載されており、番田さんのご両親に連絡をとり、オリィフェスでお会いしてカレンダーを買い求めました。初対面でしたが、雄太さんのおかげで、良い出会いとなりました。
    本当に素敵なカレンダーになっています。
    雄太さんの書かれた文字には、目だけでなく、心に届く力があります。
    ブログに書かれていた「心の文字が太陽に重なって眩しく見え、みんなを照らしている」と書いたのは私です。パッと見た瞬間にかんじたことでした。
    とりとめなく書いてしまいましたが、とにかく、御礼をお伝えしたかった!のでした。
    ありがとうございました。
    | はやお よしこ | 2018/10/10 12:41 AM |

    はやお よしこ様
    コメントを書き込んでいただき、ありがとうございます。
    立ち上げて以来六年程経過しましたが、今回のブログは大勢の皆様にご覧いただき、これまでと比較にならないほどの拡散に少々戸惑っております。

    高校時代の恩師である番田さんから依頼を受けてのカレンダー制作、仕上りをとても喜んでいただけました。
    非常に少ないフォロワーではありますがご紹介させていただければとの思いでブログの下書きもお見せしたところ、掲載を快く承諾してもらいました。
    その際、はやお様のコメントの件をお聞きしました。

    ブログ中にも書きましたが、雄太君の戒名に通じるようなコメントにいたく感激されたお父様が、是非とも文章に織り込んでほしいとおっしゃったので、私の視点で書かせていただきました。
    事後報告となりますが引用させていただきましたことをご了承くださいますようお願いいたします。

    今回のブログはテーマに合わせて真面目に書かせていただきました。過去ログはもっと砕けた文調で気楽に書いております。
    今回とのギャップがあまりにも甚だしいこと、憤慨辟易されることなく流し読んでいただければ幸いです。
    | 名久井 龍夫(ジロー印刷企画) | 2018/10/10 1:52 PM |